「男性育休義務化」に反対だった私が賛成に転じた理由

昨年くらいから「男性育休義務化」というキーワードを目にすることが増えてきました。

ついには自民党内に「男性育休義務化」に向けた議連ができるようです。

松野博一元文科相は「社会的意義はもちろん、男性に個人としての大切な財産にしていただきたい思いもある」と話した。

自民党単体で50人の議員が参加予定というところが最大の驚きでした。

大きく話題になりつつある本件について、私が「反対から賛成に転じた理由」を書きます。

当初反対だった理由

「育休男子.jp」の目的は「男性の育休取得を促進すること」です。

しかしながら、当初「男性育休義務化」の議論が出てきた頃、直感的に「嫌だな」と感じました。

何でだろうと考えたところ「個人の生き方に外から介入されることが極力少ないのが望ましい」という価値観が根底にあることに気付きました。

個人及び夫婦の考え方や選択ができる限り尊重されることが望ましく、そこに大きな力が介入することは、選択の自由を阻害することに思えたのです。

人の意見に耳を傾けてみた

一方で、子育て界隈の有識者や子育て当事者の中に、ポジティブな意見があることも分かりました。

同時に反対意見やその反対理由も見えてきました。

当初「義務化」というパワーワードに反射的な反応を示してしまった感も自覚していたので、一旦判断を保留して本件に関する様々な意見をフラットに見てみることにしました。

この辺りの情報収集はSNS(Facebook、Twitter)を中心に行いました。

また、機会をいただき「厚労省イクメンプロジェクト」に関わることになったため、キックオフMTGでも様々な意見を聞くことができました。

その結果として、未だいろいろ思うところはあるのですが、賛成に転じることにしました。

賛成に転じた理由

賛成に転じた理由は「男性も当たり前に子育てを担う」社会に向けた変化のスピードをできる限り早めたいから、ということに尽きます。

ジワジワ浸透していくといいなぁと思っていたのですが、このペースだと我が子が親になる頃にすら間に合わない。

政府サイドが「義務化」というパワーワードを使いだした、というのも大きいです。

正直民間だけの運動だったら「賛成」と明言はしなかったかもしれません。

私が学生だった2000年初頭に「新エンゼルプラン」という少子化対策が発表されたのですが、そこで課題とされてることや対策が今とほとんど変わっていないんですよ。

20年間何してきたんだっちゅー話ですよ。

このままだと20年後も同じこと言ってることになりかねない。

多くの方が指摘している通り「男性育休義務化」だけをやろうとしたら、様々な課題が今以上に顕在化してしまってカオスになります。

「産んだ覚えのない長男化する戦力外夫」「事業が回らなくなる中小企業」「生活困窮する家庭」「男性が入れない赤ちゃんスペース」などなど。

社会インフラから文化風土、制度設計含め、膨大な解決すべき課題を全部全力で本気で解決していかないといけない。

「義務化」とまで言うなら、それ相応の覚悟があってのことですよね。

「おたくらその気なら全力で付き合ったろやないかい」という姿勢で、国に対して交渉力を持つことになります。

また「義務化」と言うとパパのみならずその周辺の関係者も当事者意識を持つようになります。

とにかく多くの人が当事者意識を持って、課題を挙げまくって、全部全力で即座に解決できる方法をみんなで考える、そういうムードを作るために「男性育休義務化」という言葉は寄与すると思うに至りました。

当初反対だったように、個人や家族の自由な意思決定が阻害されるようなことは極力ないようにしたいという思いは変わらないので、バランス取る必要はあります。

「家族のあり方」に国家が介入する悪しき前例になるようなことは絶対に避けなければなりません。

例外なく100%義務化しようとするなら大暴れして反対しますが、さすがにそういうことではなさそうです。

ということで「できるだけスピーディにことを進める」ために「男性育休義務化」という言葉を使っていくことを支持することにしました。

「南国少年パプワくん」より。このシーンめっちゃ泣けます。

「スラムダンク」より。陵南は敗北しますが我々は成し遂げましょう。

具体的に何をしていけばいいか

正直なところ、既に解決のための手段はほぼ出尽くしていると思います。

「待機児童解消」しかり「保育士の待遇改善」しかり「パタハラ・マタハラ防止」しかり「働き方改革」しかり。

「男性育休義務化」を打ち出すことで新しく何かあるとしたら「プレパパ向け産前ブートキャンプ」みたいな事業が流行るかもな、くらいです。

あとは漫画「コウノドリ」が研修資料としてめっちゃ売れて重版しまくるとか。

既にある解決策を、どうやるか本気で考えて実行するだけです。

「経営の神様」の知恵を借りてみる

「経営の神様」と言われたGEのジャック・ウェルチは「4つのE」を提唱しました。

それになぞらえて言うならば「男性育休義務化」というパワーワードは「Edge(エッヂ、鋭利さ)」です。

最も大切なのは「Execute(実行)」です。

「Edge」のきいたチャレンジを「Execute」するためには、みんなの「Energy(元気・前向きさ)」が不可欠です。

私はみんなの「Energy」を引き出す「Energize(勇気付け)」の役割を、ささやかながら担っていきます。

やりましょう、みんなでやりましょう。

先日「男性育休」をテーマにインタビューを受けた際「日本に希望はあると思いますか」と質問されましたが、即答で「YES」ですよ。

暗い展望を吹き飛ばして、いい日本を創っていきましょう。

僕らのためにも、そして次の世代のためにも。

ウダウダやってるヒマはねェ!